3月初旬、千葉県北部でもようやく朝の冷え込みがやわらぎ、氷点下の心配がなくなってきました。
田園地帯に面した我が家は市内でも特に冷え込みが強く、冬場は温室でオージープランツやネイティブプランツの苗を管理しています。
寒い時期は根が動かず植え替えには不向きなため控えていましたが、気温の安定とともにいよいよ作業のタイミングに。
今回は冬越しした苗たちの植え替えと株分けについてまとめていきます。
冬のあいだの管理方法

耐寒温度が0℃前後の植物は、冬の間は簡易温室へ取り込んで越冬。
オージープランツやネイティブプランツの苗も、小苗のうちは春まで温室内で管理しています。
ただ、閉じっぱなしではなく、
- 天気の良い日は外に出して日光浴
- 風に当ててリフレッシュ
といったことも意識しています。
一方で、冬でも晴れた日は温室内が想像以上に高温になることも。
そのため、天気予報を見ながら入口を開け閉めし、温度管理にも気を配っています。
秋や冬の間に購入した苗は、すぐに植え替えず春まで待機。
理由は、寒い時期は根の動きが鈍いためです。
無理に植え替えをすると、
- 根が張らない
- 水分を吸いきれない
- 根腐れを起こす
といったリスクが高まります。
特に水はけを好むオージープランツでは、この影響が出やすいため、タイミングはとても重要です。
今回植え替えたオージープランツたち

今回植え替えを行ったのは、以下の品種。
- キリンの木
- バーゼリア
- イソポゴン
- ヘスペランサ
どれも個性的で、これからの成長が楽しみな植物たちです。
植え替えスタートと株分け作業

気温が安定してきたこのタイミングで、ようやく植え替えを実施しました。
ポットから苗を外してみると、複数株が混植されているものも多く見られます。
そのまま育てても樹形が整わないので1本立ちにしたいと思います。
成長の途中で育ちの良い株だけを残して間引きしてしまう手もあるのですが、どうにか全ての株に育ってほしいと願う私はここで株分けに踏み切ってみました。
今回は、
- 根をやさしくほぐす
- 株ごとに分ける(株分け)
- それぞれ単独で植え付け
という作業もあわせて行いました。
クラスター根という特殊な根の仕組み

クラスター根(cluster root)は、ヤマモガシ科やマメ科のルピナスなどに見られる、少しユニークな根のかたちです。
特にリンが不足しがちな土壌環境で発達し、植物が栄養を効率よく吸収するための工夫のひとつといえます。
細かな根毛や側根が密集し、まるで試験管ブラシのような房状になるのが特徴。
この部分から有機酸や酵素を分泌することで、土の中に固定されているリンを溶かし、吸収しやすい状態へと変えてくれます。
今回植え替えを行った植物の中では、イソポゴンにこのクラスター根が見られました。
オージープランツらしい、環境に適応したたくましい性質を感じます。
植え替え作業はできるだけ慎重に、根を傷つけないよう気をつけて進めましたが、絡み合った根をほぐしていく中で、どうしてもブチブチと切れてしまう場面も…。
正直なところ少し不安は残りますが、植物の回復力を信じて、このまましばらく様子を見ていこうと思います。
使用した用土(自家配合)

植え替えに使った土は、自家配合したもの。
水はけと通気性を重視しつつ、必要最低限の保水性を持たせた配合です。
配合比率はだいたいこんな感じ。
(赤玉土20L袋を購入した場合)
- 赤玉土 20
- 鹿沼土 15
- バーグ堆肥 20
- ピートモス(無調整) 10
- 軽石 8
- ゼオライト 2
- 薫炭 2
市販でもオージープランツ用の用土は販売されているので、少量ならそちらを使うと手軽で安心です。
オージープランツ専用肥料の選び方
また、肥料についても少し触れておきます。
我が家では、花ごころから販売されている「オージープランツの肥料」を愛用しています。
この肥料は低リン酸の緩効性肥料で、オージープランツの性質にしっかり配慮された設計になっているのが特徴です。
グレビレアやバンクシアといったネイティブプランツは、リンを過剰に与えると根を傷めてしまうことがあるため、肥料選びはとても重要なポイントになります。
特に、クラスター根を持つヤマモガシ科(バンクシアやグレビレアなど)には相性がよく、安心して使えるのが魅力です。
強く効かせるというよりは、じわっと効いて長く支えるタイプの肥料なので、植え替え後のデリケートな時期にも扱いやすいと感じています。
キリンの木の植え替え

今回の中でも特に印象的だったのが「キリンの木」。
初めて扱う品種でしたが、ポットから外してみると根鉢はぎっしりと詰まった状態でした。

一度しっかり水で洗い、根を丁寧にほぐしながら、不要そうな根を軽く整理。
その後、二回りほど大きな鉢へ植え替えました。
鉢サイズを大きくした理由は、すでにある程度の樹高があったため。
ただし、一気に鉢を大きくすると根張りが追いつかず、根腐れのリスクも出てきます。
その対策として、
- 通常の培養土に
- 軽石とゼオライトを追加
し、かなり水はけの良い配合に調整しました。
植え替え後の管理

植え替えを終えた株たちはこちら。
株分けを行ったことで、ポットの数はだいぶ増えました。
植え替え後は、
- たっぷりと水やり
- しばらく温室で管理して発根を促す
という流れで様子を見ていきます。
また、植え替え時の水やり(腰水)にはメネデールを添加。
根の回復と活着をサポートしてもらいます。
春からの成長に期待
冬のあいだ動きを止めていたオージープランツたちも、これから一気に成長のスイッチが入る季節。
今回の植え替えと株分けで、それぞれがしっかり根を張り、元気に育ってくれることを願っています。
これからの変化を楽しみながら、引き続き見守っていきたいと思います。


