センダンの木を冬に移植したとき、掘り上げる作業ももちろん大変でした。
でも実は一番困ったのはその次。
「掘れたはいいけど、これ…どうやって運ぶの?」
という問題でした。
根鉢(ねばち)がしっかりしているほど移植後の成功率は上がる。
それは分かっている。分かっているんですが…。
掘り上げたあとに、悩んだ

掘り上げたセンダンは樹高5mほど。
根もしっかり残して掘ったので、当然ながら重い。
そして当然ながら、一人では持ち上がらない。
「このままじゃ移植先に運べない」
「重機がないと無理なのか…?」
正直、この時点でけっこう頭を抱えました。
根鉢を一回り小さくした。でもそれでも重い
まず、このままでは運べないと判断し、根鉢を少し調整しました。
移植の成功率を落とさない範囲で、外側の土を少し落として根鉢を一回り小さくしました。
ただ、根鉢を小さくしてもまだ重たい。
一人作業では、持ち上げて運ぶのはやはり無理でした。
いい案が浮かんだ。「台車に乗せればいいのでは?」
しばらく悩んでいて、ふとひらめきました。
台車に乗せて運べばいいんじゃない?
こういう時こそ文明の利器。
問題は、根鉢の形がいびつで重心も読めないこと。
一輪車(ネコ)は惜しいけどダメだった

まず試したのは、一輪車(通称ネコ)。
庭作業ではよく使うし、いけそうな気がしたんですが…。
これが意外と難しい。
ネコは積載面が高く、
根鉢を持ち上げて乗せようとした瞬間にバランスが崩れる。
「乗った!」と思った次の瞬間に傾いて、根鉢がズルっと落ちる。
これ、木にも良くないし、自分の腰にも良くない。
危ないので早々に断念しました。
倉庫にあった救世主「カヤックカート」

そこで思い出したのが、普段カヤックを運ぶために使っている道具。
カヤックカートです。
「いや、木を運ぶ道具じゃないでしょ」
って感じですが、これがまさかの大正解。
倉庫から引っ張り出して、毛布で包んだ根鉢を乗せてみたら…
めちゃくちゃ運べる。
要領はカヤックと同じ。タイダウンベルトで固定する
カヤックカートが優秀だった理由はシンプルで、
- 地面からの高さが低い
- タイヤが太くて安定する
- 荷物が“転がす”前提で作られている
このあたりが全部、木の根鉢運搬にも噛み合いました。
そして固定方法もカヤックと同じ。
根の部分が落ちないように、タイダウンベルトできつく固定。
これをするだけで、グラつきが一気に減って、
一人でも安全に移動できる状態になりました。
さらに上部の枝をギュギュッと紐で縛って細くすることで、運搬の邪魔にならずスムーズに移動が可能です。枝葉案外しなりが効くため、思っている以上にきつく縛っても問題ありません。
移植先は事前準備済み。穴掘りと土壌改良が効いた

運べたはいいものの、移植はここからが本番。
移植先は事前に穴を掘ってあり、
水はけが少し悪い土だったので腐葉土や軽石などで土壌改良も済ませていました。
この準備がしてあると、運搬が終わったあとに焦らなくて済みます。
最後は「水極め(みずぎめ)」+保温で仕上げ

根を穴に置いて、向きを整え、土を被せる。
そして最後にやったのが 水極め(みずぎめ) です。
水極めとは、
土を水でドロドロにして、根の隙間にしっかり土を送り込む方法。
移植直後に空気の隙間が残ると根が乾きやすくなるので、
こうやって水と一緒に土を流し込むのが効果的。
さらに、
- 棒で軽く突く
- 幹をゆする
こうすることで、細かい隙間まで土が入り込んでいきます。
ただ、冬に水極めをすると夜間の凍結が心配だったので、露出した土の上に発酵中のウッドチップを厚く敷き、さらにその上を毛布で覆って保温しました。
重機がなくても、道具の工夫でなんとかなる
今回のセンダン移植で一番の学びはこれでした。
「運べない=終わり」ではない。
道具を変えるだけで、急に突破口が開けることがある。
カヤックカートは本来、カヤックを運ぶ道具ですが、
庭木の移植でも大活躍してくれました。
もし今後、同じように「掘れたけど運べない」で困っている人がいたら、
声を大にして言いたいです。
カヤックカート、意外とアリです。

