2月。
庭では蝋梅(ロウバイ)が咲き始め、ミモザの蕾もふっくらと膨らんできました。
とはいえ、まだまだ寒さの厳しい季節。今朝は氷点下まで気温が下がり、吐く息も白くなります。
そんな冬のある日、思い切ってセンダンの移植を行いました。
こぼれ種から、2年で樹高5mに

今回移植するセンダンは、発芽からまだ2年目。
それでも樹高はすでに5mほどまで成長しています。
腐葉土に混じっていたものか、野鳥が運んできたものか、こぼれ種から自然に芽吹いたもの。
センダンは成長が早いとは聞いていましたが、ここまでとは正直驚きました。
ただ、生えていた場所が隣家との境界にかなり近く、
将来的な日陰や落ち葉の影響を考えると、少し気がかりな位置。
そこで、まだ若いうちに移植してしまうことにしました。
根回しなし、冬の思い切り移植

今回の作業では、根回しは一切していません。
掘って、そのまま移植。かなり大胆な方法です。
時期は真冬の2月。
落葉樹であるセンダンは葉を落とし、活動も最小限。
ダメージはあるものの、今なら耐えてくれるだろうと判断しました。

掘り上げると、まだ若木らしく根の張りも素直。
垂直に伸びる根よりも横に浅く伸びる根が多い印象でした。
一番太い根でも直径は8cmほどなため、万能ノコで簡単に切断可能。
慎重に、でも手早く作業を進めます。
水はけの悪さを補う土壌改良

移植先は、家の前にある少し開けたスペース。
ただし、この場所はやや水はけが悪いのが難点です。
そこで事前に、
- 腐葉土
- 軽石
- バーミキュライト
を混ぜ込み、簡単な土壌改良を行っておきました。
完璧な環境とは言えませんが、
「人の暮らしのすぐそばで育つ木」としては、十分だと思っています。
夏、子供部屋に木陰をつくるために

移植先を決めた理由のひとつが、夏の木陰。
家の前のこの位置なら、
葉を茂らせたセンダンが、夏場に子供部屋へやわらかな日陰を落としてくれそうです。
エアコンだけに頼らず、
木の影で室内の暑さを和らげる。
そんな昔ながらの知恵を、少しだけ取り入れてみたくなりました。
無骨さと爽やかさが同居するセンダン

センダンは、幹だけを見ると少し怖い印象があります。
まっすぐ伸びる姿が、どこか無骨。
でも、枝先から伸びる葉はとても爽やかで、
明るい緑が風に揺れる様子は実に清々しい。
和風にも洋風にも合わせやすい落葉樹というのも、
この木を気に入っている理由のひとつです。
和と洋、その境界をつなぐ一本

我が家の庭を大きく見ると、
- 玄関まわり〜家の表側:洋風の樹木が多い
- 家の裏側:松、ケヤキ、マユミ、シイノキ類など雑木中心で和の雰囲気
と、はっきり分かれています。
その境界をやさしくつなぐ存在として、
センダンはちょうど良いポジション。
主張しすぎず、でも確かな存在感。
家づくりと庭づくりの間に立つ木として、これからの成長が楽しみです。
移植後は「動かさない」ことがいちばん大事
無事に植え付けが終わったら、それで作業完了……ではありません。
移植直後の木にとって一番の大敵は「揺れ」です。
風で幹が揺れると、せっかく張り始めた細かい根が切れてしまい、
木に大きなダメージを与えてしまいます。
特に今回移植したセンダンは、
- 樹高が約4m
- 冬とはいえ風を受けやすい場所
という条件。
そのまま放置するのは少し不安がありました。
杭とロープでしっかり固定
そこで、移植後すぐに杭打ちとロープによる固定を行いました。
- 幹の周囲に杭を打つ
- ロープで幹を軽く支える
- 強く締めすぎず、揺れだけを抑えるイメージ
ポイントは、「がっちり固める」のではなく、
風で大きく動かない程度に支えること。
木は少しだけ動くことで、自分でバランスを取りながら根を張っていきます。
完全に固定しすぎると、逆に弱い木になってしまうこともあります。
根が落ち着くまでの“仮の支え”
この固定は、ずっと続けるものではありません。
1〜2年して根がしっかりと土に馴染んできたら、
徐々にロープを緩め、最終的には外す予定です。
移植直後の数か月は、人が少し手を貸す期間。
あとは木自身の力を信じて見守ります。
静かに根を張る冬の時間
冬は地上の変化が少ない分、
土の中ではゆっくりと準備が進む季節。
揺れない環境を整えてやることで、
センダンは春に向けて、静かに力を蓄えてくれるはずです。
まずは、この冬を無事に越えてくれれば
根回しなし、真冬の移植。
正直、楽観はしていません。
でも、自然のリズムに合わせ、
必要な手当てだけをして、あとは木の力に任せる。
「しぜんらぼ」らしい選択だったかな、と思っています。
春に芽吹くかどうか。
それを静かに待ちながら、庭と暮らしを少しずつ整えていきます。

