【石積みDIY④】積み方（床堀り作業）

この【石積みDIY】シリーズでは、石積みの種類の違いや道具、テクニック、完成までの作業工程などについて、全５回にわたりテーマや工程ごとに分けて紹介しています。

今回は４回目で「床堀り（とこぼり）」についてご紹介します。

床堀りとは石積みの基礎となる一番下の石「根石（ねいし）」を置く場所を掘る（整える）作業のこと。
丈夫で美しい石積みを作るにはやはり基礎が大切になります。
今回は床掘り作業についてまとめてみます。

床堀り作業とは？

石を積み始める前にまず行うのが、この「床堀り（とこぼり）」という作業。
床堀りとは石積みの基礎となる一番下の大きな石＝根石（ねいし）を置く場所を作る作業です。

作業としては、土を削り地盤を均し、「石が安定して置ける」平らな面を作るという簡単なもの。
ただし、一応「石が安定して置ける」ためにルールがあります。

根石がずれてしまうとその上の石もずれてしまうので、結果として石が崩れやすくなります。
それだけ根石は大切なので、この根石を置く場所をしっかりと整えてあげます。
ちなみに、今回は手前側にコンクリートがあるため、こちらを「くち」として利用しています。

ポイントとしては２つ。

ある程度踏み固められた地面であれば表層の土を削れば硬く安定した地盤になっています。
そのため、根石を置くのに十分な深さを掘れば、それだけで大丈夫。

ただし水辺や田んぼの周辺など地盤がぬかるんでいるような場所の場合には、土壌改良が必要になる場合もあります。空気に触れない土中で腐りにくく、石が沈みにくい松や杉の丸太を埋める方法などがありますが、今回は詳しい説明は省きます。

ポイントは以下のとおり。

このような形状の溝を掘っておけば、根石が安定するので安心です。
大切なのは、積まれた石の重みで根石が壁とは反対側に押し出されてしまわないようにすること。
そのために、やや後方（壁側）に傾けて、グリ石と「くち」でしっかり根石を固定します。

また溝や壁は掘り過ぎないこともポイントです。
土で埋め戻すと、締め固まったときに隙間ができて崩れの原因となります。
余計なグリ石も必要になりますので作業は必要最小限にとどめるのが効率的。

これで床堀は完了。
次は最終回、石を積んでいく作業です。

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