この【石積みDIY】シリーズでは、石積みの種類の違いや道具、テクニック、完成までの作業工程などについて、全5回にわたりテーマや工程ごとに分けて紹介しています。
- 【石積みDIY①】木曽石を積んで植栽が生きる庭をつくる
- 【石積みDIY②】必要な道具の準備
- 【石積みDIY③】木曽石が購入できる場所は?
- 【石積みDIY④】積み方(床堀り作業)
- 【石積みDIY⑤】積み方(空積み作業)
今回は3回目で「木曽石の購入先」についてご紹介します。
我が家の石積みの積み石は、木曽石(きそいし)という石材を使用しました。
木曽石は花崗岩の一種なのですが、表面の凸凹は多孔質で見た目はマットで落ち着いた雰囲気が特徴的。
積み石の種類が決まったところで、次は購入先を見つけなくてはなりません。
当初はウッドデッキの施工でお世話になった造園屋さんで手配をお願いしていたのですが、最終的には価格的にも良かった石材専門店へ足を運んで購入することになりました。
今回は、石積みに必要となる「積み石」の購入先。
とくに私がとてもお世話になった千葉県成東市にある石材専門店「昌造園(しょうぞうえん)」さんについてまとめてみました。
石積みには積み石とグリ石が必要

まず、石積みには大きさの違ういくつかの石を使用します。
それは「積み石」と「グリ石」。
積み石とは表面に見える顔となる大きな石です。
今回でいうと木曽石です。
これだけで石積み自体はできますが、強度と排水性、通気性を考慮するとグリ石と呼ばれる小さな詰め石が必須。
ただし、グリ石は見えない場所に使われるので、どんな石でもOKです。
こちらは予算を抑えたいので、自宅から出てきた石ころの再利用やホームセンターでまとめて購入しました。
グリ石の必要性については後述したいと思います。
そこは石の楽園「昌造園」

昌造園は、千葉県茂原市にある造園資材専門の販売店です。
また造園業も行っているため、職人さんがいる造園スペシャリストな会社。
場所は圏央道茂原北ICから8分とアクセスしやすい立地にあります。
私が訪問した際にも、都内や茨城県からやってきている一般のお客さんがいました。
造園資材を専門に扱う専門店ですが、特徴的なのは石材の豊富さ。
敷地内には造園で使用する資材一通りのほか、大きなスチールゲージに入った石や山積みになった大きな石が何種類もありました。
ドライガーデンで人気のある「ミカモ石」も大きな山積みに。
スチールゲージには小さめの石もありました。
ECサイトもあるので造園に関するアイテムなども購入することができます。
木曽石の量り売り

そこには山積みになった木曽石が…。
宝の山を見つけたような気分です。
石は量り売り。
少量の場合はコロコロ台車に積んで計量台に乗り計測しますが、量が多い場合はワイヤーモッコ(資材を運搬するためのワイヤーロープでできた袋状の道具)に入れた後、計量機付きのクレーンに吊って量る流れになります。
では早速、石を選んで台車かワイヤーモッコに積み終わったら、再度お店の方に声をかけて計量してもらいます。
私が訪れた平日は他のお客さんも少なかったこともあり、好みの石をじっくりと選んで選定することができました。好みの大きさや、形のものを見繕い購入できるのはかなり嬉しい。
積載後は安全運転で

購入後は自宅の軽トラックで運搬。
計測を終えたら、ワイヤーモッコごと軽トラックの荷台に下ろしてもらい、モッコから石を積み下ろしていきます。
私は軽トラックですから気にしませんが、相手は硬い石なので荷台は傷がつきますし凹みができる事もあります。
心配な場合は段ボールやコンパネ板などを敷いておくと安心です。
私が行った際は、お店の方も気に掛けて聞いてくれましたが、荷台が傷つくのが嫌ならば事前に手積みする旨を伝えておくとトラブルがなく良いと思います。
また、車種によって積載できる最大積載重量というものが決まっていますので、事前に確認をしておくと安心です。
ちなみに軽トラックの場合は350kg(0.35t)まで。
また、事前にタイヤ圧の確認をしておくことと、石を積む際に4輪に均等に重量が分散されるよう意識して置くと更に安心です。
軽トラックの場合、350kg増えると運転感覚はかなり変わります。
左右への揺れが大きくなりますし、なかなか止まりません。
また坂道発進も少し吹かさないと下がってしまいます。
帰り道はゆっくりと安全運転を心がけましょう。
グリ石は必要?

石積みを作る上で必要となるのがグリ石。
グリ石とは積み石の裏側、土手の土との間に詰める石のことで、大きさは積み石よりも小さく、サイズはまちまち。
前述の通り見えない場所に使うこのグリ石にですが、しっかりとした裏方の大切な役割があります。
積み石を固定する
積み石は山側(土手側)に傾けて積んできます。
その際に積み石の角度を決め崩れなくするために固定するのがグリ石になります。
「土を詰めれば良いじゃない?」と思われますが、土はいくら圧縮しても時間と共に更に縮みます。
せっかく積んだ石が傾いたり歪んでしまったりするので不安定な石積みになっていしまします。
水捌けをよくする
土は雨で流失するため、グリ石を詰めることで土の流失を防ぎ、土中の水分が抜けやすい状態を保つことが可能になります。
また、水分を含み土自体が重くなることで石積み側にかかる力が強くなり、石積みの崩壊のリスクもあがります。
さらに、積み石の裏が土だけの場合、隙間から雑草が生えてきやすく見栄えや管理が大変になるというデメリットもあります。
園芸店「にしきの園」をハシゴ

余談ですが、昌造園に行く際にいつも立ち寄っていたのが、東金市にある「にしきの園」という園芸店。
千葉の植物好きな人なら知っている、ちょっと変わった園芸店。
仕入れる植物に変わり種が多く、いつ行っても新しい発見のある楽しいお店。
また品質や価格に関しても嬉しいことが多く、ついつい新しい植物を買って帰ってしまう、そんなお店です。
お店のインスタグラムもあるので興味にある方はぜひチェック。
そしてこの日も軽トラックの荷台には、木曽石と植物たちが…。
まとめ
石積みのメインとなる積み石。
ここだけはしっかりこだわって、納得のいく風合いや品質のものを選びたいところです。
重量物で送料のかかる石は近場で手に入れることに越したことはありません。
お住まいの地域で採掘しているものがあれば、それが比較的安価に入手可能です。
今回私が使用したのは岐阜県で採掘される木曽石。
私の住む地域からは遠い場所で取れる石ですが、需要があり流通量が多いため石材屋さんを選べば比較的低価格で購入が可能でした。
千葉県近郊にお住まいなら私がお世話になった「昌造園」さんがとてもお勧めです。
さて、次回は石を積み始めます。
石積みの基礎となる根石を置く場所を整える「床堀り(とこぼり)」という作業について解説していきます。
- 【石積みDIY①】木曽石を積んで植栽が生きる庭をつくる
- 【石積みDIY②】必要な道具の準備
- 【石積みDIY③】木曽石が購入できる場所は?
- 【石積みDIY④】積み方(床堀り作業)
- 【石積みDIY⑤】積み方(空積み作業)


