この【石積みDIY】シリーズでは、石積みの種類の違いや道具、テクニック、完成までの作業工程などについて、全5回にわたりテーマや工程ごとに分けて紹介しています。
- 【石積みDIY①】木曽石を積んで植栽が生きる庭をつくる
- 【石積みDIY②】必要な道具の準備
- 【石積みDIY③】木曽石が購入できる場所は?
- 【石積みDIY④】積み方(床堀り作業)
- 【石積みDIY⑤】積み方(空積み作業)
今回は2回目で「道具の準備」についてご説明します。
石積みの大部分は手作業での行程となります。
しかし、石を運んだり、整形したり、真っ直ぐに積んだりするためには道具が必要なりる場面があります。
この章では、素人の私がDIYで石積み作業をするにあたって必要となった道具類を紹介します。
道具の準備

プロの方は色々と専用の道具を使用していますが、私は素人なので必要最低限の道具だけを揃えて作業を進めました。
今回私が使用した工具はこちら。
- ハンマー(鉄平石槌)
- タガネ
- スコップ
- 鍬
- 手箕(テミ)
- ネコ(一輪車)
- 水平器
- 角材と水糸
- 丈夫な手袋
これらの道具はホームセンターやネットで購入可能でした。
ハンマー(鉄平石槌)
ハンマーについては、石工専用のものを選びます。
どうしても座り(形状)の悪い石は、ハンマーやタガネで叩いて割ったり角を落としたりする作業が発生するので、強度的に耐えられる専用のものが良いです。
タガネ
タガネとは金属や石材の加工に使用する工具の一種で、先端が平かったり尖ったりしており、ハンマーで叩いて使用します。
平たいものと先の尖ったもの2種類を購入し、石を割ったり、座りの悪い石の表面を整える際に使用しました。
スコップ(剣先スコップ)
先端の尖った一般的なスコップのことです。
土や小石の移動の際に使用します。
石積み作成の前段階で土壌改良も行った箇所があるため、我が家の場合一番使用した道具といっても過言ではありません。
大中2サイズほど揃えておくと、量や使用箇所で使い分けできるので体力面の負担も軽減できます。
また軽量なモデルだとさらに作業が楽。
鍬(平スコップ)
石積みの土台となる根石(ねいし)を置く際に、地面を平らに削り整えるために使用します。
こちらは鍬(くわ)でなくても、先端が平らな平スコップでも対応可能です。また、前述の普通の剣先スコップでもできない作業ではありませんが、先が水平なものの方が仕上がりがきれい。
手箕(テミ)
「ちりとり」のことです。
土やグリ石などの重量物を運ぶために使用します。
自分の体力と相談して扱いやすい大きさのものを選ぶと良いかもしれません。
石をたくさん載せたた手箕をドスンと置いた際に底を割ってしまいました。一般的なプラスチック製のもので問題ないですが、取り扱い方次第ではそんな事もあります。
ネコ(一輪車)
積み石やグリ石、砂利、工具など様々な運搬に使用します。
とても需要の高い道具なので1台はあった方が良いと思います。
ネコにも種類があり、荷台の形状が「バケット型(深型)」「平型(浅型)」の2種類が存在します。
運搬物の種類によって使い分けるのですが、我が家で使っているのは平型。
バケット型の特徴は深く細い形状。
土砂などの形が定まらない物体に適しています。
また、細身なので狭い場所の移動にも適しています。
平型は平たく広い形状。
ブロックや長尺の木材など積み重ねしやすいものを運ぶのに適しています。
石積み作業では砂利も大きな石も運ぶので、はっきりとどちらが適しているとは言い難いところ。
どちらでも運べないことはないので、ここは個人の好みになるかと思います。
ホームセンターでも比較的コスパの良い商品が置いてあるので、実際にハンドルを持ってしっくりとくるタイプを選ぶのもアリだと思います。
水平器
石積みの傾きを合わせるため、後述の水糸張りの作業や水勾配を取るため床掘り作業で使用しました。
様々な長さのものが販売されていて迷いますが、短いものよりは長いものの方が正確に計測できます。
私は30cmほどの長さのものを使用しています。
角材と水糸
作業を進める上で、石積みの水平や傾き具合などを合わせるために使用します。
丈夫な手袋
積み石やグリ石を土を運んだり、ハンマーで叩いたりと、手は一番使います。できるだけ作業のしやすいものを選びたいところです。
私は一般的な背抜きラバー手袋を使用して作業していましたが、大体1日作業すると指先に穴が空いてしまい、使い捨てしていました。
安全メガネ
石をハツる(削る)際に時々顔に石が飛ぶことがあります。
私はメガネをしているので大丈夫でしたが、目を守るためにも安全メガネはしておいた方が良いと思います。
石の準備

石積みに使う石は2種類。
積み石とグリ石です。
積み石とは上に積んでいく大きな石のことで、今回は30cm前後の木曽石(きそいし)を使用します。
グリ石は積み石と土手(山側)の間を埋める小さ目の石のことです。
積み石に使用する木曽石はどこで入手できる?

私の場合、作業当初は造園屋さんから仕入れていましたが、県内に割安に購入できる石材屋さんを見つけたため、そちらから購入をすることにしました。
重量物である石は運賃の方が高くつきやすい品物。
そのため、出来るだけ近場で揃えることをお勧めします。
また、負担でなければトラックで自家運搬すると価格を抑えられると思います。
トラックはレンタルすると言う方法もありますが、一般車であれば0.5〜1.0トンくらいは乗せて運べるので検討してみる価値はあります。ハイエースなんかだと1トン以上載せられる車種もあります。
ただし軽トラックの場合、法定積載重量が0.35トン(350kg)まで。
30cmほどの木曽石でも20個くらいが限度なので、たくさん使う場合は何度か通うことになります。
購入先については次回の記事で詳しくまとめておきます。
グリ石はどこで入手できる?

グリ石とは積み石の隙間や壁面との間を埋める小型の石のこと。
見えるところには使いませんし、積み石を固定できて、通排水が良好になれば良いのであまり小さすぎなければ何でも良いと思います。
私は、少し大きめのグリ石は造園屋さんから購入しましたが、小さめなものはホームセンターで購入して軽トラックで運んできました。
石材屋さんに確認すれば安くて良いものを見繕ってくれると思います。
設計図はあった方が良い
簡単なものでよいので、設計図は作っておいた方が良いです。
材料調達の際に、一体どれだけの石を購入すれば良いのだろうか?と悩むことがあります。
石積み面積を把握しておけば、大体の個数は計算できるはずです。
また、作業スケジュールを組む際にも、どこからどこまでを1日で作業してなどと日数を計算する事も可能です。
まとめ
今回は必要な道具についてまとめてみました。
作業を効率よく楽に進めるにはある程度ちゃんとした道具を揃えておいた方が良策。
とはいえ予算もかけたくはありませんので、必要最低限なものをピックアップしてみました。
さて、次の記事では積み石の購入先について詳しく紹介していきたいと思います。
我が家が使用したのは木曽石という石。
私の住む千葉県内にとても割安で購入できる石材屋さんを見つけましたので、そちらの紹介となります。


